介護が必要な利用者に対して様々な介護サービスを提供することで、できるだけ快適でスムーズな生活に近づくように努めるのが介護の仕事です。
そのためには利用者一人ひとりの現状や変化、価値観を含めた人間性やこれまでの経歴など、個々の情報を正しく記録して、現場の介護職全体でそれを共有しなければなりません。
これを怠ると、利用者一人ひとりが抱える課題やニーズが介護計画等に反映されずに、不十分なままで介護サービスを提供し続けることになります。また口頭だけで情報を伝達しようとしても、人から人へ伝えるうちに内容が変化してしまい、正しく情報が伝わらないこともよくあります。
こうした不正確な情報の伝達で悩む介護職は少なくありません。正確に記録して情報を共有することは、介護の仕事では極めて重要な位置を占めます。
例えば施設で記録するケースでは、利用者個人に関する記録と業務に関する記録に、大きく分けることができます。
前者には面接記録やフェイスシート、個別介護計画表や介護経過記録あるいは日常生活チェック表といったものが挙げられます。後者では介護業務日誌や夜勤業務日誌、レクリエーション活動日誌や行事報告書などがあります。
このような多種多様な記録を記録簿やノートのような紙媒体、パソコンやタブレット端末といった電子媒体へ毎日定期的に保存して、介護職同士で情報共有します。
その結果、介護サービスの利用者一人ひとりをよく理解できることに加え、介護職への評価やサービス内容の改善、関連する専門職との連携や研究会での資料など、様々なシーンで活用することが可能になります。